こんにちは、中村です。4月に入り春らしくなってきましたね。

 

今日は自分の専門分野である局所麻酔(部分麻酔)の話をしてみたいと思います。

歯医者さんで注射の麻酔を受けたことのあるかたも多いかと思いますが、場合によっては治療後に痛みがさらにひどくなってしまうこともあります。このようなことはなぜ起こるのでしょうか。

麻酔というのは全身麻酔・局所麻酔問わず身体にストレスを与えないために行われます。ただしこれは処置中の痛みを感じないようにするために行われるもので、麻酔が切れた後は痛み止めの薬を点滴や飲み薬で使うなど別の方法で対処しなくてはいけません。

例えば全身麻酔でお腹のなかの手術をしたとしましょう。なぜ全身麻酔で手術をするのかといえば全身麻酔をしなければ耐えられないような痛みが襲ってくるからです。手術中は全身麻酔で寝ていますが目が覚めたらお腹の傷は痛みます。

同様に、局所麻酔で歯の治療を行うのはやはり麻酔をしなければ耐えられない痛みを伴うような処置を行うためです。麻酔が切れるまでの間に身体(歯や歯茎の神経)の受けたダメージが許容できる範囲内であれば痛みませんが、そうでなければ(許容量を超えていれば)痛んでくる、というわけです。

これはもともと痛み(炎症)のある部位の処置であったか、処置自体の刺激・ストレス(侵襲)が大きなものであったかなど様々な要因が絡んでくるため、一概にこういった場合は痛みが酷くなるといえないのが現状です。

しかし、そもそも麻酔を行うのは痛みを伴う処置が必要であり、その結果として麻酔が切れた後に痛みが出ることは往々にしてありえるということです。痛みが出なければ運がよかった、とも言えます。

麻酔が好きな人はいないと思いますので、痛みが出てから歯医者さんに行くのではなく、予防的に虫歯や歯周病をケアしていってなるべく麻酔が必要な処置を受けなくて済むように気をつけて頂けると幸いです。